取引先にFAX注文をやめてもらう案内文と進め方
取引先へFAX注文の終了を案内するときの決め方、全面切替・並行運用・小口向けの文面、断られた場合の返答、3か月の移行手順をまとめます。
FAX注文をやめてもらうには、新しい受付方法を知らせるだけでなく、取引先が注文を続けられる条件を用意する必要があります。業務用食品卸、製麺、食肉、酒類卸では、店舗、工場、給食施設など取引先側の担当人数や機器が異なります。同じ案内を一斉に送り、切替日だけを示すと、問い合わせが受注の締め時間に集中します。
進め方は、切替期限、FAXと新方式を受け付ける並行運用期間、変更できない取引先の例外扱いを先に決めます。その上で取引先を分け、案内、操作確認、未移行先への連絡、例外受付を順番に行います。この記事では、案内文をそのまま使える形で示し、断られたときの確認事項と返答、三か月で進める場合の担当作業まで整理します。
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サービス資料をダウンロードFAX廃止を切り出す前に決める3つのこと
案内を出す前に社内で決めるのは、期日・並行運用期間・例外扱いの三点です。営業担当と受注担当で答えが違うと、取引先は自社に都合のよい方法を選び、受注側には複数の例外が残ります。案内文の作成者だけで決めず、受注・営業・出荷・請求が同じ条件を説明できる状態にします。
1.期日は受注日と納品日のどちらで区切るか
「四月から変更」では、三月中に受け付ける四月納品分の扱いが曖昧です。「四月一日受注分から」のように基準を明記します。月末締め・棚卸し・繁忙期と重なる場合は、問い合わせと手入力が同時に増えない日を選びます。新方式の利用登録が必要なら、登録期限と注文受付の切替日も分けて記載します。
2.並行運用期間は終了条件まで決める
並行運用は、FAXも受け付けるだけの期間ではありません。新方式で一度注文できた取引先、登録は済んだが注文していない取引先、連絡が取れていない取引先を分けます。終了日にFAXが届いた場合、受注を継続して再案内するのか、営業担当へ確認するのかを決めます。同じ注文が二つの経路から届いた場合の重複確認も必要です。
3.例外扱いは取引先名と見直し日を記録する
例外を「当面FAX可」とだけ記録すると、担当交代後も残り続けます。取引先名・FAXを残す理由・受付時の処理・担当営業・次の確認日を一覧にします。小口・緊急注文・特定商品のみ・拠点ごとに環境が違う場合など、例外の単位も明確にします。取引停止につながる判断は受注担当だけに任せず、責任者を置くべきです。
- 切替の基準日と、登録・操作確認の期限
- FAXと新方式を両方受け付ける開始日・終了日
- 切替後にFAXが届いた場合の受付と再案内
- 例外にする取引先、理由、処理方法、見直し日
- 問い合わせ先と、受注締め時間外の対応範囲
そのまま使える案内文テンプレート3パターン
文面には、変更する理由を自社都合の説明だけで終わらせず、対象となる注文・旧方式の終了日・新方式の開始方法・問い合わせ先を入れます。取引先名・日付・URL・連絡先・締め時間を差し替えて使用してください。取引基本契約や個別契約で注文方法を定めている場合は、送付前に契約変更の手続きを確認します。
全面切替の案内文
[送付日] [取引先名]御中 [自社名・部署名]
注文受付方法変更のご案内
平素よりお取引いただき、ありがとうございます。弊社では、注文の受付状況を確認しやすくし、受注内容を一つの窓口で管理するため、[切替日]受注分からFAXによる注文受付を終了し、[Web受発注・メール等の新しい受付方法]へ変更いたします。
[対象商品・対象拠点]のご注文は、[利用URLまたは送付先]からお送りください。初回利用に必要な[登録方法・添付資料名]をご確認いただき、[登録期限]までにお手続きをお願いいたします。FAXでの受付は[FAX終了日時]をもって終了します。
操作や登録について不明な点がありましたら、[担当部署・電話・メール・受付時間]へご連絡ください。今後も注文を滞りなく受け付けられるよう準備いたしますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
並行運用の案内文
[送付日] [取引先名]御中 [自社名・部署名]
注文受付方法の移行期間について
平素よりお取引いただき、ありがとうございます。弊社は[新方式名]による注文受付を[開始日]から開始します。[開始日]から[並行運用終了日]までは、現在のFAXと[新方式名]のどちらからでもご注文いただけます。
移行期間中に、[URL・登録方法]から一度ご注文いただき、受付完了の表示または通知をご確認ください。[並行運用終了日の翌日]受注分からは[新方式名]での受付を基本とします。
移行期間中にFAXと新方式の両方から同じ注文を送る場合は、備考欄に「再送」または「訂正」とご記載ください。登録、操作、注文確認に関するお問い合わせは[担当部署・電話・メール・受付時間]で承ります。
小口取引先向けの案内文
[送付日] [取引先名]御中 [自社名・部署名]
ご注文方法確認のお願い
いつもご注文いただき、ありがとうございます。弊社では[切替日]から注文の受付方法を[新方式名]へ順次変更します。
ご注文の回数や社内環境に合わせて手続きをご案内するため、[回答期限]までに[返信方法]で、①[新方式名]を利用できる、②登録や操作の説明を希望する、③現在はFAX以外の利用が難しい、のいずれかをお知らせください。②の場合は[説明方法・候補日時]をご案内します。
③の場合も直ちに注文をお断りするものではありません。現在の機器やご担当者の状況を確認し、受付方法を個別に相談します。連絡先は[担当者・電話・メール・受付時間]です。
送付後は、案内を送った事実だけで完了にしません。宛先不明・担当者変更・利用登録済み・初回注文済み・説明希望・例外相談の状態を記録します。注文担当と案内の受取担当が違う取引先もあるため、最初の注文が新方式で届くまでは連絡先を確認します。
断られたときの再交渉トーク
断り文句へすぐ反論すると、相手の制約を取り違えます。「FAXしか無理」の中身は一つではありません。端末がない。共用メールを使えない。担当者が操作できない。本部承認が必要。注文頻度が低く、登録負担を感じる。どれに当たるかで対応は変わります。最初に困る場面を一つ聞き、期限・支援・例外のどれを調整するかを決めます。
| 取引先の返答 | 確認すること | 返答例 |
|---|---|---|
| うちはFAXしか無理 | 使える端末、メール、担当者、社内規程のどこが制約か | 現在の環境を確認させてください。パソコンやメールを使えない場合はFAX継続を含めて個別に受付方法を決めます。 |
| 操作を覚える時間がない | 注文する曜日と時間、説明を受けられる方法 | 普段の注文書を使い、最初の一件を電話で確認しながら登録します。説明日時を二つお送りします。 |
| 今のままで困っていない | 相手側の変更負担と、自社が求める確認方法 | 注文内容や受付時刻を双方で確認できるようにする変更です。並行期間中に一度お試しいただき、支障がある点を確認します。 |
| 本部の承認が必要 | 承認者、必要資料、審査期間、セキュリティ確認項目 | 本部向けの案内と利用条件をお送りします。承認に必要な期間を確認し、その間のFAX受付を記録します。 |
| 注文が少ないので登録したくない | 注文頻度、注文内容、連絡可能な方法 | ご注文頻度に合わせ、登録不要の方法またはFAX継続を個別に確認します。次のご注文前に担当から連絡します。 |
| 切替日までに間に合わない | 遅れる理由と利用開始できる日 | 開始可能日を決め、その日まではFAXを例外受付します。例外終了日と連絡先を双方で確認します。 |
返答した内容は取引先別の記録へ残します。営業担当だけが口頭で例外を約束すると、受注担当はFAXを止めるべきか判断できません。例外開始日・終了予定日・次回連絡日・受付時の注意を共有し、取引先へも合意した内容をメールや書面で返します。
切り替えが進む取引先/動かない取引先の見分け方
会社規模や注文金額だけで分けず、行動の状態で分けます。案内の受領確認が取れた。利用担当者が決まった。登録した。テスト注文を送った。通常注文を送った。このように段階を記録します。問い合わせがある取引先は止まっているとは限りません。操作を試して具体的な質問が出ている場合は、次の支援が明確です。
進む取引先は次の行動と担当者が決まっている
切り替えが進む取引先には、登録担当と実際の注文担当が分かり、次に行う操作と日付があります。初回注文で商品が見つからないなどの問題が出ても、修正後に再確認できます。営業担当は利用を促すだけでなく、商品マスタや納品先の不足を社内へ戻します。
動かない取引先は未対応の理由が記録されていない
案内済みのまま更新がない取引先は、未読・担当者不明・社内承認待ち・利用困難を分けます。「再案内する」だけでは同じ状態が続くため、誰に何を確認するかを一件ずつ設定します。連絡が取れない場合も、最終注文日と次回注文の見込みを営業記録から確認します。
並行運用前提の受注フロー
移行期間は、FAXと新方式を別々の受注台帳にしないことが重要です。入口が違っても、取引先・受付日時・注文番号・納品日・処理状態を共通項目として一つの受注一覧へ集めます。登録前に同じ取引先から同日・同内容の注文がないかを確認し、再送・訂正・新規を区別します。
- FAXと新方式の受信を担当窓口で確認する
- 受付日時、取引先、注文番号、納品日を共通形式で記録する
- 重複候補と訂正版を確認し、一つの注文へまとめる
- 商品、数量、納品条件を確認して受注登録する
- 確認中、登録済み、出荷連携済みの状態を更新する
- FAX利用が続く取引先を週単位で抽出し、理由と次回連絡日を更新する
締め時間直前は、移行案内より受注継続を優先する判断も必要です。例外受付したFAXには、通常処理と区別できる印を付け、後から連絡対象へ戻します。受付を止める場合は、取引先へ返す連絡方法と、出荷側へ注文がないことを伝える責任者を決めます。
並行運用の終了判断には、新方式の利用社数だけでなく、FAXで届いた注文件数・例外理由・未処理の有無・重複確認にかかった作業を使います。FAXが一件でも残れば延長するのではなく、個別対応へ移せるかは取引先ごとの判断が必要です。
そもそも取引先を変えさせない方法
取引先側の変更が進まない場合は、FAXを受付方法として残し、自社側だけをデジタル化する選択があります。受信FAXを画像やPDFで集め、注文内容をデータ化し、担当者が確認して既存の受注システムへ渡します。この方法なら、取引先は現在の番号と注文書を使い続けられます。切替案内、利用登録、操作支援を全取引先へ行う必要もありません。
AI受注さんは、この自社側だけを整える立場で、FAX注文書から取引先・商品・数量・納品日などを抽出し、確認後のデータをExcelやCSVへつなぎます。対象にする帳票・商品マスタとの対応・読み取れない場合の確認条件を決める作業は残りますが、取引先へ注文方法の変更を求めずに受注側の転記を減らせます。全面切替と二者択一にせず、変更しやすい取引先はWeb、難しい取引先はFAXのまま処理する設計もできます。
移行スケジュールのモデルケース(3か月)

三か月で進める場合、第一月は準備と案内、第二月は並行運用、第三月は未移行先の個別判断に分ける進め方です。開始前に、繁忙日・締め日・担当者の休暇と重ならないかを確認します。全取引先を同じ速度で動かすのではなく、各月の終了時に次の対象と例外を更新します。
| 時期 | 取引先への対応 | 社内作業 | 完了の確認 |
|---|---|---|---|
| 1か月目・準備 | 案内送付、担当者確認、登録案内 | 期限・例外ルール確定、問い合わせ記録作成 | 案内到達、担当者、利用可否が記録されている |
| 2か月目・並行運用 | 初回注文支援、操作質問への回答 | FAXと新方式を共通一覧へ合流、重複確認 | 初回注文済みと未利用理由を区別できる |
| 3か月目・個別判断 | 未移行先へ理由確認、例外条件を書面化 | FAX継続先の処理と見直し日を設定 | 通常切替、期限付き例外、継続FAXが分類されている |
週ごとの会議では、案内数ではなく状態が変わった取引先を確認します。利用開始・説明待ち・承認待ち・連絡不能・例外確定に分け、次の担当者と日付を置く形です。三か月目の終了後も、例外取引先には見直し日を残し、FAX受付を担当者の記憶だけで続けないようにします。
FAX注文の切り替えに関するよくある質問
- FAX注文の受付を終了するとき、何か月前に案内すればよいですか?
- 一律の期間ではなく、取引先が社内手続きや操作確認に必要な日数から逆算します。この記事のモデルでは、初月に案内と対象確認、二か月目に並行運用、三か月目に個別確認を行います。締め日や繁忙期をまたぐ場合は、その期間を避けて設定します。
- 切替日を過ぎても届くFAXは受け付けない方がよいですか?
- 受注を止めるか例外として処理するかを事前に決め、案内文にも記載します。取引への影響が大きい場合は、例外受付と再案内を組み合わせ、誰がいつ新しい方法へ案内し直すかを受注記録に残します。
- 取引先がFAXしか使えない場合はどうすればよいですか?
- 相手側の機器、担当者、社内承認のどこが制約かを確認します。変更が難しい取引先はFAXを残し、自社側で受信後のデータ化と受注登録を整える方法もあります。全取引先を同じ日に切り替える必要はありません。